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酒井産業株式会社

|文・写真・取材:地元カンパニー / 長野県出身

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塩尻市に本社のある酒井産業株式会社は、木祖村に工場を持ち、本社と東京に営業所をおいて事業展開しています。1935年に地場産業である木曽漆器の卸売業から始まり、現在では木・竹製生活用品全般を扱う流通卸業へと大きく成長し、全国150社の協力工場と連携をとっています。
私達が暮らしの中で、自然を感じることができる取り組みについて専務取締役の酒井さんにお伺いしました。

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酒井産業株式会社
専務取締役 酒井久徳さん

酒井産業が取り組む、自然をいかしたものづくり


木を使ったおもちゃ作り

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酒井さん 天然素材で作られた製品は僕らはいいと思っているけど、消費者からすると「高い」と思われることがあります。
木のものがいいっていうのは頭では分かっていても、やっぱり安いものがいいということで、じゃあどうしようと考えたところ、木を使った子供のおもちゃにたどり着きました。
昭和40年代、百貨店でプラスチック、金属、電気じかけのおもちゃが出始めて、積み木のようなオーソドックスな木のおもちゃが百貨店からだんだん消えていってしまったんです。まず、生協に置いてもらおうと酒井産業オリジナルの商品を作りました。とはいえ、天然素材のなので価格が高く手が出しにくいので、はじめは木工所の端材を持っていってプレゼントするところから始めました。端材を配っているうちに、木は人気あるということが実感でき、おもちゃという形でしっかり供給できないかってことになって商品作りに踏み切りました。
おもちゃを手にした子どもたちが、いずれ大人になった時に「木っていいよね」と思ってもらい、背景にある森の環境を考える人に育てることが、私達の使命だと思ったのです。
そのためには、木のおもちゃが良いツールですね。私達もちゃんと研究して、木のおもちゃで遊ぶ子どもたちの将来と自然環境の活用・保存までを一生懸命考えてものづくりしています。
安く材料を仕入れて大量に販売するというのは少子化の時代には向かない、やっぱりハートがないと思いますね。ただ作って安く大量供給しているところは、ほとんど海外生産です。実は、弊社も海外生産を行ったことはあるんですよ。韓国や中国、タイにも出かけて技術指導しながら生産して頂きました。例えば、木地(漆などの塗料を施す前の器)が中国製で、国内で漆を塗って提供する、いわゆる半国産という形のもの。日本で全部作るとなると高くなってしまいますが、海外製であれ、僕らが品質保証できればいいという考えも以前はありました。
しかし、日本の森をどうにかしようという企業が日本の木材を使わないと日本の森林が健康にならないじゃないか・・・と考え、現在は多少値が張っても国内の木材を消費する方向に大きくシフトしています。

協力工場との連携

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酒井さん 現在、酒井産業には全国に150社の連携工場があります。連携の背景には、木曽漆器、つまり伝統工芸産地・技術のつながりがあるんです。私たちは全国の産地を知っており、人のつながりがあるため、全国各地工場に出向いて「こんな商品を作ってくれないか」と提案し、連携に繋がっていきます。
サンプルは自社で作り、各地の工場に同じ品質の製品を作ってもらえば生産量が増大できます。例えば汁椀は、とても人気があり売れすぎた時、自社工場ですべてを製造すると、供給が追いつかないですし、コストが高くなってしまいます。
ですから、手を抜かず時間をかけて作ったサンプルを連携工場に持ち込み、本質管理しながら必要な量を作れる生産体制を整えています。

今後の力を入れていきたい取り組み


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酒井さん 子ども達とのつながりをもう少し整えて、地元の塩尻から木育の成功事例を創って発信する仕組みを作りたいです。まずは県内に広げて、その後全国へと広げていこうと考えています。木育とは木づかい運動の一環として、木材の良さやその利用の意義・森林との関わり合いを学ぶことです。
例えば、具体的に動き始めている商品として「ひのき」を使った積み木の、「カラ木ー」があります。現在、塩尻市の子育て支援センターさんに導入頂きそれを市内の保育園に貸出をされているのですが、こども達・保育士さん達になかなか好評ですね。

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保育園の先生方が自分たちで考え、子どもと木とのふれあいを作ってくださっているんです。例えば、ヒノキで出来た球体をプールに入れて洗濯機遊び。水に顔つけることができなかった子供が遊びを通して、顔をつけもぐれるようになったそうです。プラスチックだと素材感がないですし、無機質ですよね。木は匂いがあるし濡れれば黒くなるし、木目年輪があって手触りもあるし。色々なことができますよね。現場では、先生方に非常に好評なんですよ。
また、他の企業から酒井産業が期待されているのは商品開発、営業といった出口の部分ではないでしょうか。良い出口を増やすことが今後の課題ですよね。地道でもいいから、今年来年と継続していくような仕事をしていくことが重要ですね。

酒井産業で働く若手社員


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今回は、酒井産業で働く社員の方にもお話を伺いました。
本社特販部木育担当の小原大暉さんです。

酒井産業に入社した理由

小原さん 「木育」っていうワードが一番の決め手でしたね。初めて聞いた時はなんの言葉かわからなかったんですけど、逆に聞いたことがないってことは出始めのところだし、そこをうまく広げていけたら面白い活動になるのかなと思いました。新しい分野だとまだ誰もやったことがないので、そこを攻めていけたら自分の力にもなるだろうし、面白いことができるかなって。
元々、手を動かすのが好きで、「日本のものづくり」っていいなと感じていたことも理由としてあります。ただ、いいなって思っているだけじゃ広がらないので、日本だけじゃなくて世界レベルで広げるにはどうしたらいいのかと考えていました。木育っていう考えが僕の考える日本のものづくりの広がりに結びついて、「これだったら日本のものづくりと世界規模の環境に関する考え方も同時に伝えることができるんじゃないか」と思い入社を決めました。
また、自分が就活をする際に中小企業も条件のひとつでしたね。任せられる仕事の幅も広いですし、言われたことをこなすよりも自分から提案して、叩かれながらも仕事ができていく方が面白いなって思っていたので魅力を感じていました。

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働いて分かった企業、業界の魅力

小原さん 今まで「木」っていうくくりで見ていたものが、どの木がどういう性質を持っていてっていうのが分かってきたので楽しいですね。例えば杉だとちょっとやわらかくて温かいとか、ひのきだと色が明るいとか。更に加工しやすい、しにくいとか、色がどうだってところもだんだん細かいところが見えてきて、同じ木でもそれぞれ特徴があることに気づき、面白いなと思いましたね。

今後の目標

小原さん まず塩尻を中心に、子ども達の生活の中で木をもっと使って欲しいと思っています。小さい頃から木と身近に触れることで、「塩尻はこういう土地で、こういう木があって・・・」と木に詳しくなって、いずれクラスにひとりずつ塩尻出身の木材博士がいたらおもしろいですよね。その子ども達が年齢重ねて、高校生、大学生になった時に、広い目でいろんなことを見れるような人になってくれたら嬉しいです。
そのために僕は、新しい商品の提案だったり、今までプラスチック使われていった部分に木材をいれたりとか、木の新しい使い方を提案していきたいです。

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