トップ >  POST > 長野で働く > 長野の会社 > 株式会社アロン

株式会社アロン

|文・写真・取材:地元カンパニー / 長野県出身

IMG_2366 (2)

代表取締役社長 中塚亮平さん

上田市に本社を置く 株式会社アロン。昭和44年の創業、プラスチック成形金型製造、プラスチック製品の製造及び組立てを事業とし、金型設計製作から可塑性樹脂の射出成形・硬化性樹脂のトランスファ成形を、自社工場内で一貫して行う部品メーカーです。お客様の立場に立った製品作りを目指し、製品見積り設計段階からお客様と打合せをし、提案等を交え製品・設計製作を行います。
モータ関係部品を中心に手掛け、インシュレータ(絶縁部品・薄肉成形)を最も得意とし、金属部品等を一体成形するインサート成形にも力を入れ、地域に貢献する会社です。
上田高校出身、芝浦工業大学・同大学院卒業。前職では車のワイパーの設計を手がけ2004年アロンに入社。技術部長を経て、2012年4月に代表取締役就任された中塚社長にお話しを伺いました。


~株式会社アロンが取り組む事業について、またアロンのものづくりとインターネットについてお考えをお聞かせください~

お客様の立場に立った製品作りがアロンの強み

アロンはプラスチックで主にモータの絶縁部品をつくっている会社です。機密保持契約があるので実際につくっているものの写真や詳細はあまりお見せできないのですが・・産業用設備のモータや自動車にも使用されています。少し前に話題になった最高速を求め研究開発された電気自動車にも、当社の製品が使われています。最近は開発案件も増え、効率UPをねらったものを製作しています。具体的にあの件をやっているとタイムリーに言えないのが悔しいところですが、自画自賛ですが弊社も含めてすばらしい技術を持っていても世に成果を知らしめることができない中小企業は多いですよ。
最近ドラマの『下町ロケット』で話題にはなりましたが、当社もまさに縁の下の力持ちとして人目に触れない内部の内部から日本の製造業の発展を支える部品メーカーだと思っています。ありがたいことに国内のほか米国を始め、シンガポール、タイ、マレーシアなどの東南アジア諸国、ヨーロッパなど海外からも幅広く評価を頂いています。

当社は先方の設計図通りに製作し納品するのではなく、お客様の希望に見合うものが出来るように、工夫して設計して、それをご提案することを心掛けています。お客様の出してきた設計図が果たしてお客様が考えている最適な形や強度・機能に仕上がるかどうか、求めるものをよく聞いてしっかり検証して仕事を進めています。図面は一つの表現方法で、表現が得意な人も苦手な人もいるんです。そこを知った上でものを作る。あと、これはどんな業界でもそうだと思うのですが、提案型の営業の意識というのはとても大事だと思います。
私が上田から遠方まで直接足を運び、営業担当かつ金型設計者としてその場で商談し、見積りと図面案を提出してしまうのが強みです。

IMG_2375 (2)

『下町ロケット』も見るとやっぱり面白いし、「そうそう・・」という所は結構ありました。
大企業が個別の部品において技術力があるかというと、必ずしもそうではないっていう所に特に共感しますね。
例えばカメラや車なんかは部品の集合体で最終製品ができますが、それぞれの部品に十分な時間をかけて考えている人は大企業にはほぼいません。部品に何が求められているのかに早く気付いて先に開発に取り組んでいる企業があって、開発を進めることができれば、そちらの方が知識や技術や経験が先行する可能性は高くなります。ドラマで言えばバルブシステムが重要って気づいて、お金になるかわからないけど、必ず必要になるってわかっているから作っていましたよね。

うちの場合は、モータの中の部品を作っていて、試作を受けることで開発者からこんなものが欲しいという情報が入り易くなりました。求められるものがわかっているので、ゴールが明確に設定できます。また、技術力を上げるという点ではとにかく試作品を多種受けるようにしてきました。私が社長になる前と比べると3倍~5倍の数をこなせるようになっていると思います。とにかくトライ&エラーを数多く早く繰り返すというのがひとつ、もうひとつはその情報や結果から求められる要求を材料メーカーに投げかけたり、情報交換したりして要求に相当する物や情報を手に入れてから作るということをやっています。だからお客さんの要望にすぐにまたは事前に応えられる。
ものが既に出来ているっていうのはもの凄く説得力があって、経験がある所に頼むほうが安心でしょ?そういう状況に持っていくのは戦略としてはうちもあのドラマと同じようにやっているかんじですね。ドラマはちょっと熱すぎるところはありましたけどね(笑)IMG_2384 (2)
当社のような部品メーカーではインターネット化するのは必要性を含めてまだ数年は先だと思っています。アロンは完成品を作っているわけではないのでまず自社製品をインターネット化ということではないと思いますし、考えられるとすれば製造工程のラインや機械をインターネット化するということになると思うのですが、工場が複数になるほど会社を大きくしないと必要じゃないかな(笑)
先ほども言ったように、機密保持契約で表に出せない情報もあるので、漏えい問題がひとつあります。もうひとつは人間の対応力に見合う機械を作ろうとするともの凄いセンサーの量が必要になってきます。製造過程で問題が起こった場合 その時その時で応じなきゃいけない事がやはり多すぎる。人がいればある程度途中で直せますが、人がいないとそれができないんですよね。あとはラフでいい所はラフに、繊細でなければならない所は繊細にできる、そこが人間の感覚の魅力的な所で、機械だとそれが難しい。誰かのノウハウで構築したとしても、その後システムが壊れてしまったり、進化させていくとなった時に、構築した当時のノウハウを持った人はもういなくなってしまうという状況があります。大企業は出来るかもしれないですが中小企業はどこかで行き詰まると思うんですよね。例えばビッグデータの活用等はIT化を進める必要があると思いますが、最終判断は人間がしなきゃいけないんじゃないかなと思います。

仕事としてもホームページを作ったからって仕事が来るわけではないんです。うちはどこで仕事のつながりを作るのかというと、展示会なんです。展示会で直接話してこの案件はうちがやる価値があるかないか、この人と仕事がしたいか、そうでないかでアクションする順番が決まったりします。仕事をしたいと感じた方と顔を合わせていると提案をお互いに出せるようになるのでいい物ができる。それがお互いの満足につながります。やっぱりお互いに人同士の仕事なのでITや電話だけではうまくいかないことが多いですね。

あくまでITというのは信号のやりとりですよね。信号があって出す側と受ける側が同じものをとれるというのが前提じゃないですか、製造業はなにげにそういう細かな所を確認しにお客さんの目の前に話に行かなきゃいけない。同じ言葉が同じ意味を持つと思っていると大きなトラブルが起こります。それと人が持っている思いとか意思はやっぱり行かなきゃわからない。どこにいても同じ仕事が出来るというのは違うと思っていて、その点では何でもIT化っていうのは違和感を持っています。使い方が重要ですよね、使い方を間違えると本当に大事なものが落ちてしまうかなと思います。

IMG_2402 (2)
ただ、IoTが進むとモータの需要は確実に増えるでしょうね。離れた位置からものを動かすには基本的にモータが必要になる。ロボットを遠隔操作するとかね。熱が出れば冷却するだろうし、カメラの映像が必要であれば方向を変える、ピントを合わせる、場合によってはレンズをきれいにする必要もあるかもしれません。センサと合わせて需要は伸びるでしょうね。でも、安いモータだと弊社の仕事は増えないかな(笑)

IoTの活用

製造業の世界でIOTにもってこいなのは3Dプリンターだと思います。3Dプリンターは1つのものを作るのに時間がかかりますが、たとえば3Dプリンターを1台買った家庭にその家庭で使っていない時にメーカーからデータと材料を送る。数家庭のプリンターが同時に動けば、1個を作る時間は短くならないけど同じ物が一度にたくさんできますよね。同じ物を同じ機種の3Dプリンターで複数作りたいという場合にはIOTというのは仕組みとして面白いと思います。30個同じ物を作りたい場合も、3Dモデルのデータを作る人は一人で良くて、主婦が内職程度にできて勝手にお金が生まれてくる、そんな仕組みが出来れば面白いですよね。ただそこでも漏えいっていうのは問題になってしまいますが・・。
IMG_2403 (2)
電気を見直し、効率化に取り組む

アロンでは電気代が月40~50万。プラスチック製品を作るには熱を使って、その熱はほぼ電気で発生させるのですごく電気を使います。まず私達が仕入れる原料を作る時、プラスチックを溶かして細い棒にして、冷たい水で冷やして伸ばして裁断するという各過程で電気を使います。私達がその原料を買って乾燥機で加熱し成形機にいれて300度位の熱で溶かして、金型の方は水で冷却したり、ヒータで加熱したりという過程があり、そこでも熱、電気をすごく使います。ものを温めるというのは地球を温めている、ものを冷ますにも地球を温めている。工業や人間が快適になるってそういうことだと思っています・・。

インターネットやパソコンもデータを記録する量は人間の頭よりも確実に多いし計算速度だって早い。だけどそもそも電気が無かったら使えないですよね?そろそろ電気の方も見直した方がいいんじゃないかと僕は思っています。

電気をつくる、電気を使うっていうことに対して今後縛られたり、問題になると思います。Wi-Fiは今、無料で使える所もありますが、電気は大型設備が必要だから無料にすると仕組みが成り立たない。発電は自分の知らない所で終わっていて 雨が降る現象と同じようになっている・・そして使うことはみんな大して気にしない。
最近カフェに行くと各席にコンセントがあって「電気をご自由にどうぞ」状態ですよね、あれはやめた方がいいと思っています。普通の家庭でやると確実に電気泥棒で窃盗罪ですよ。ちゃんと電気使用料を払って行かないと、って思っています。
今はネットワーク環境を守るためにも電気を大事に使って行かなきゃいけないって思っていて、弊社は電気を使う方をいかに効率よくするかっていうのを一生懸命やっている会社です。

IMG_2390 (2)
今後取り組みたいことと、求める人材

技術的には、少しでも効率がよくなる、少しの電気で大きな出力が得られるモータに必要な部品を開発していくことですね、もう既にいくつか頭の中にはテーマがあるんですけど、それを実際に進めていきたいですね。設備を整えていったり、特許のこととかね。今までにないものを作り始めるとどんな評価をするかなんてことまで考えなきゃいけなくなります。材料メーカーと協力して製造したり、その先に自動車メーカーがあったりすると特許の話も色々出てきます。この会社の規模からすると大きな相手と関わる事もあって結構面白いことはやっていると思いますよ。

会社の雰囲気としては、まず自分がこの会社に社員としていたいか、いたくないかっていう所を気にするようにしています。社員はパートさんを含めて20人位ですが、ボーナスや産休・時短社員など待遇面でも働きやすい会社というのを考えて少しずつ改善を進めています。普段は同じ社内でも離れた所で仕事をすることも多いですから、忘年会なども工夫してコミュニケーションが取りやすいようにしています。
求める人材としては一度他社で働いていた経験がある方いいです。もちろん新入社員も歓迎しますよ。いろんな挫折や納得いかないっていう経験をしている方がいいなと思うんです。「石」の上にも3年・・て言いますが、 「座布団」の上に3年じゃなくてね、座り心地いいところに3年じゃだめなんです。僕も前社でかなり厳しく、しごかれました。でも、3年位は最低限の修業期間じゃないですかね。
以前はワイパーの製造会社で設計をやっていました。ワイパーって加工技術が結構集約されていて、色々な分野のことが勉強できました。報告書の書き方や社内調整の仕方、誰が判断するのかの問題のレベルの考え方、困ったときにどんな人を頼るかとかね(笑)結構厳しかったですがそれが今非常に役立っていますね。出来るだけいろんな分野に真剣に関わった人が来たらいいなと思います。

普段、お客様の工場見学や監査は多いのですが弊社の規模で就職活動ではなかなか工場見学を受け入れられないのですが、アカデミー当日は少しお見せできると思います。工場は動いていないですが、雰囲気を見て頂いて興味があればまた平日にお見せすることもできるかもしれません。ぜひ楽しみにきてください。

IMG_2377 (2) 工場の一角では社員の方が真剣な様子でミーティング中。中塚社長いわく、みなさん忘年会や飲み会では部署も関係なく、かなり賑やかだそう。

そんな株式会社アロンの求人情報はコチラ